アメリカ国立衛生研究所(NIH)が、CBDの鎮痛作用を調べるための研究費として約300万ドル(約3億2000万円)を投じることを発表しました。
CBD研究に300万ドル投資

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CBDには一般的に鎮痛作用があるとされていますが、その根本的なメカニズムをはっきりと示した研究はまだなされていません。
そして今回、アメリカ政府はCBDの鎮痛作用に関する確固たるエビデンスを調査するための研究として、9つの研究に合計300万ドルの研究費を投じることを発表しました。この研究で調査されるのは、CBD及びその他の大麻物質ですが、THCは含まれていません。
今回資金を投じられた9つの研究は、以下の通り。
②炎症性および神経障害性疼痛におけるマイナーなカンナビノイドの神経免疫メカニズム(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)
③マイナーなカンナビノイドとテルペンの鎮痛薬としての前臨床試験(リサーチトライアングル研究所)
④慢性関節炎の痛みに対するCBDの作用メカニズムの特定(ニューヨーク大学医学部)
⑤疼痛経路の化学的操作のための合成生物学(テキサス大学オースティン校)
⑥核磁気共鳴分光法を利用した、CBDの鎮痛作用の根底にあるメカニズムの調査(ユタ大学)
⑦大麻と類似のテルペンを持つホップの鎮痛作用の調査(エモリー大学)
⑧疼痛の受容体を持つまれなカンナビノイドの系統的調査(イリノイ大学アーバナシャンペーン校)
⑨単一及び複合的したマイナーなカンナビノイドとテルペンの鎮痛作用(テンプル大学)
様々な観点から、大麻及びCBDの持つ鎮痛作用を調査しようとしていることがわかります。
アメリカの連邦法では大麻は違法

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アメリカはすでに大麻が合法化されているイメージが強いかもしれませんが、実はアメリカ合衆国としては大麻を合法であると認めていません。
カリフォルニア州やコロラド州などの州法では大麻が認められていますが、アメリカ合衆国の連邦法では大麻は違法扱いなのです。
つまり、いまアメリカは大麻に関して連邦法と州法で矛盾した取り扱いをしていることになります。
そして、今回の調査はCBDの鎮痛作用に関するものですが、これをきっかけに連邦法でも大麻が合法になるかもしれません。そうでなければ、わざわざ300万ドルもの大金をCBDの研究費として投じることはないでしょう。
もしアメリカ合衆国が大麻を合法であると認めれば、その影響が日本に及ぶ可能性も大いにあります。今後の動向に期待しましょう。